在宅勤務やリモートワークの普及に伴い、ノートパソコンを持ち歩く機会が以前にも増してきました。
移動の途中、喫茶店やワークステーションでリモート会議をする光景も当たり前となり、出張や旅行以外の普段の生活でもノートパソコンを持ち歩く機会が明らかに増えています。
このような働き方の変化もあり、ノートパソコンケースやターブレット端末ケースは、移動の際の衝撃や振動による故障やキズ防止だけではなく、身の回りの実用品およびファッションアイテムとしても買い求められる方が多くなりました。
ノートパソコンケースは、リュックタイプ、バッグタイプ、スリーブタイプに大別され、また価格も100円ショップで売られている安価なものから、数万円する高価なものまで千差万別です。
さらに、ノートパソコンケースやタブレット端末ケースの素材やデザインも色々なものがあり、用途に合わせて自分にピッタリのものを選ぶこともできます。
一方、ノートパソコンケースやタブレット端末ケースを選ぶ際によくありがちな間違いが、サイズ確認のミスです。
そこで今回は、ノートパソコンケースやタブレット端末ケースのサイズ確認方法と、ノートパソコンケースのタイプと素材別の特徴を解説しますので、ぜひノートパソコンケースやタブレット端末ケースを選ぶ際に参考にして頂ければ嬉しいです。
【サイズ確認において注意点】
①インチ(inch)とcm
ノートパソコンやタブレットは〇〇インチと表記され、ノートパソコンケースのサイズも〇〇インチ用と表記されるため、インチの単位と、長さの定義を理解しなければなりません。
まず、インチという単位をみてみます。
1インチは2.54cmの長さで、例えば10インチなら、2.54×10=25.4cmとなります。
②サイズは画面(モニタ)の実寸
次に、長さの定義です。〇〇インチの長さは画面の対角線の長さを表します。
もう1つ大事なポイントとして、対角線の長さは、実際に画面(モニタの画面のみ)が表示されている部分のみであるということです。画面が表示されていない縁の部分は含めないので注意する必要があります
※モニタの縁の部分は、ベゼル(bezel)といいます。意味は「枠」「額」「額縁」となります。同じく「枠」を意味する「フレーム」と呼ばれることも多いです。
ベゼルの幅はメーカーやモデルによって違いがありますが、例えば、ノートパソコンのケースは「13〜14インチに対応」といった表記のように、多少のサイズのズレには対応しています。
③一般的なノートパソコンのサイズの一覧
次では参考までに一般的なノートパソコンのサイズ一覧を記載します。
例えば、12インチのノートパソコンでしたら、ベゼルを除くモニタだけの長さが30.5cmで、ちょうど30cmのメジャー大きさであることわかります。
サイズ表記 | 横幅(cm) | 縦幅(cm) | 対角線(cm) |
10インチ | 22.1 | 12.5 | 25.4 |
11インチ | 24.3 | 13.7 | 27.9 |
12インチ | 26.5 | 14.9 | 30.5 |
13インチ | 28.7 | 16.2 | 33.0 |
14インチ | 30.9 | 17.4 | 35.6 |
15インチ | 33.2 | 18.7 | 38.1 |
16インチ | 35.4 | 19.9 | 40.6 |
④内寸と外寸
サイズを見る時には、必ず横幅○○cm(またはmm)×縦幅○○cm×厚み○○cmといった実寸の表記を確認しましょう。
そしてサイズ確認の際によく間違いやすいのが、そのサイズが「内寸」か「外寸」かということです。
もちろん、実際に商品を入れる「内寸」に合わせて買うのが正しく、特にインナーケースを選ぶ時に、外寸に合わせてノートパソコンケースを選んでしまうと、場合によっては商品が入り切らなくなるという問題が発生してしまうため、注意しましょう。
具体的には、お持ちのノートパソコンの外寸と、ノートパソコンケースの内寸を照らし合わせれば、サイズの過不足に関して間違いはなくなります。
⑤厚みも忘れずに
製品によっては前面と後面の厚みが違うものもありますので、厚いところに合わせた厚みではないと、完全に入り切らない場合があるので注意が必要です。
【ノートパソコンケース/タブレットケースのタイプ】
ノートパソコンケースには、コンパクトで薄手のスリーブタイプ(インナーケース)、持ち手付きで持ち運びやすいバッグタイプ、背負うことが可能なPCリュック/バックパックタイプに分類することができます。
①スリーブケース(インナーケース)

「スリーブ(sleeve)ケース」とは、「インナーケース」ともいい、ノートパソコンやタブレット端末を収納する専用ケースのことをいいます。「スリーブケース」とは、軽量かつ薄型でバッグの中に入れることを想定して作られているので、そのままバッグの中に入れて持ち歩くことができます。
また、ノートパソコンだけではなく、周辺機器を収納するファスナーやポケット付きのモノもあるので、ご利用するシーンによって種類を選べばよいでしょう。
スリーブケースは、後述するバッグタイプやリュックタイプを使うとしても、
・衝撃からパソコンの保護や防水
・マウス、充電ケーブル、USBメモリといった周辺機器の収納
・キーボード部分、液晶画面およびイヤフォン口の汚れ除け、などの目的でよく使われていますので、目的や予算に合わせて上記の3点はしっかり確認した方がよいでしょう。
②バッグタイプ

バッグタイプはハンドルやショルダーが付いており、収納ポケットが付いているものが多く、パソコン専用のバッグとして製造されたものです。
また、財布やノート、書類、水筒などの小物まで収納ができるものや、デザイン性に優れたおしゃれなバッグタイプのものもあり、単にノートパソコンを持ち運べる機能性以外にも、ファッション性を兼ね備えたものもあります。
③PCリュック/バックパックタイプ
日常的にノートパソコンを持ち運ぶ方におすすめなのが、便利な「PCリュック」、「バックパックタイプ」です。
大切なパソコンを保護しながら両手を自由に使えるため、通勤や通学、短期間の出張にも適しています。
外回りが多く、出張時などにも使えるPCリュックを探している場合は、余裕のある容量を選ぶことで、財布やスマホなどの小物だけではなく、短時間の出張セットも収納できるため、目的や荷物の量に合った容量を選ぶのがポイントです。
以上3つのノートパソコンケースのタイプを見てきました。どちらを選ぶかは、やはりご自分の利用シーンと主たる目的によります。本体保護目的でしたら、スリーブケースを、外回りや出張など外でのユースが多い方でしたら、ノートパソコンの持ち運びだけではなく、小物なども収納できるバッグタイプやリュックタイプがおすすめです。
ただ、衝撃防止機能を考えますと、外側の材質は硬めで内側はクッション性があるものがおすすめです。
【材質/素材】
次にノートパソコンケースによく使われている材質/素材の特徴を解説します。
ケースの硬さに基づいて、ハードタイプとソフトタイプに分けてそこに使われている素材をみてみます。
◎ハードタイプ
衝撃に強い素材がケースの外側に使われているため、落としたり、ぶつけたりしてもしっかりとノートパソコンを守ってくれます。主な素材としては、衝撃に強いABS樹脂素材や低反発ポリウレタンが使用されています。
①ABS樹脂素材
ABS樹脂は、アクリロニトリル(A)、ブタジエン(B)、スチレン(S)という物質を化学的に結合することで作られた素材です。ノートパソコンケースとしては、バックタイプなどによく使われています。
ABS樹脂には、熱や衝撃に強い、加工性がいい、光沢性、加工性、デザイン性が高いといったメリットがあり、ノートパソコンをはじめ、家電製品やIT製品などのボディに幅広く使われています。一方、有機溶剤に弱く、燃えやすいこと、そして比較的に価格が高いという欠点があります。
②低反発ポリウレタン
低反発ウレタンは、低反発ウレタンフォームともいわれ、ウレタンに覆われて、ガスが泡状に膨らんだものをいいます。マットレス、枕、椅子のクッション材としてよく利用されています。
軽くて、衝撃吸収性、吸音性、断熱性能などに優れており、ゆっくりと元の状態に戻る復元性があるため、衝撃に弱いノートパソコンを保護するケースとしてもよく使われています。価格も比較的にリーズナブルですので求めやすいですが、ファッション性よりは機能性を優先して購入する方におすすめです。
◎セミハードタイプ
ハードタイプほどではありませんが、衝撃を緩和してくれます。そしておしゃれなケースも多いのが特徴です。
③EVA(Ethylen-Vinyl Acetate)フォーム素材
EVAとは、 (エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂)という樹脂の名前の頭文字を取った略称のことで、軽量で柔軟性と弾力性を持った合成樹脂の一つです。
軽量で水や紫外線に強い耐久性が特徴で、衝撃を緩和し、衝撃級力に優れているのがメリットです。
インナーケース、またはバッグタイプの商品として採用されています。価格も数千円帯のリーズナブルものが多いです。
◎ソフトケース
軽量、柔らかく収納してもかさばらないのが特徴です。革製品など長持ちするものもありますが、合成繊維の場合、長持ちしにくい(糸のほつれ、破れる可能性)、衝撃からのパソコン保護機能が弱いという弱点があります。
④フェルト(felt)
フェルトとは、ヒツジやラクダなどの動物の毛を圧縮してシート状にした繊維品の総称で、羊毛などの天然繊維を縮絨したフェルトは、手芸や雑貨などの生活用品として使われています。
保温性、耐熱性やクッション性があり、防音作用や衝撃の緩和に優れた素材です。肌ざわりにがよいですが、伸縮性に乏しく、引っ張りには弱いです。
主にインナーケースとして使われており、おしゃれで低価格帯の商品も多いです。
⑤PUレザー(フェイクレザー)
PU(Polyurethane)レザーは、本革に似せて作った人工レザー、合成皮革のことです。“フェイクレザー”とも言われますが、レザーの柔らかさや弾力のある質感を活かした商品で何よりも高級感があるのが一番のメリットです。
品質や長期使用にこだわる方には、インナーケースとして好まれる場合が多いです。
メリットとしては、
・衝撃吸収力が高い
・他の素材に比べて高級感があり、長く使えること
・プレゼントに向いていること、などですが、比較的に価格が高いのがデメリットです。
⑥ポリエステル(polyester)
合成繊維やペットボトルの材料として広く普及している合成樹脂一種として、繊維・フィルム・容器など広く使用され、経済性に優れた素材です。
化学繊維として、耐熱性、強度に優れ、軽くて染色性もよく、衣料用繊維(天然繊維を含む)の半数近くがポリエステルと言われています。高い伸縮性をもち、形状安定性、形状記憶、柔らかい肌触りなどの特徴があり、原料価格も安いことから、ノートパソコンケースのインナーケースやバッグタイプ、リュックタイプなどに広く使われています。
以上、ケースのかたさに応じて色々な素材を見てきました。通常は、インナーケースとしてソフトケースを選び、バック、リュックタイプとしてハードやセミハードタイプを選ぶ場合が多いですが、正解はなく、ご自分の使用頻度、用途、使用場所などを総合的に検討して選んで頂くのがよいでしょう。
ただ、パソコンの保護機能やケース自体の耐久性(長持ち)などの機能性の観点を優先すると、外装(バッグ、リュック)としては、やはり耐衝撃性を重視したハードケース、またはセミハードタイプの方をおすすめします。
本日も楽しい一日を!!